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前:ある日の比呂美10 首を横に振って欲望を払い除けようとする眞一郎を、比呂美は真っ直ぐに見つめていた。 自分が差し出した甘い誘惑…… それが導く牡として抗いがたい欲求と、眞一郎は闘っている。 「駄目だ!……約束しただろ!」 …………ちゃんと避妊はする………… 行為を始める前……交替でシャワーを浴びる前に、眞一郎と比呂美はそう決めていた。 自分たちも、周りの人たちも、誰も悲しませないために『ちゃんと』しようと。 …………だが………… 「大切な夜なの。一度だけの……大事な夜なの。……お願い……」 眞一郎との初めての繋がりを邪魔されたくない…… 今の比呂美の頭の中には、その事しかなかった。 ……重ねられた愛撫で思考が曇っているわけではない。 ………仲上の体面、破壊されるかもしれない未来、学校生活、『おばさん』の叱責……… そんなものを全て飛び越えて、純粋に自分が求めているもの…… それが眞一郎との『本当の繋がり』だった。 「そりゃ…俺だって……」 愛する女の胎に精を注ぐ……それは男に生まれた者にとって、何物にも代え難い至上の悦びだ。 ましてや眞一郎は体験者…… その禁断の味を知っている…… 「でも駄目だ。子供が出来るのは俺じゃない……お前なんだぞ」 自らの欲望と比呂美の未来……天秤に掛ければ『比呂美』が重いに決まっている…… そう訴える眞一郎。 しかし、『眞一郎』を欲する比呂美の決意は揺るがず、引く事もなかった。 「何それ。…………そんなの……」 途中で言葉を切り、唇を奪うことで、比呂美は自分の想いを眞一郎に注入する。 「んっ…」 不意打ちを喰らった眞一郎が呻くのも構わず、言葉や音には出来ない気持ちを伝えようとする比呂美の舌。 窒息寸前まで口腔を貪ってから、比呂美はもう一度、胎の中の『女』が求めているものを、眞一郎に告げた。 「……お願い…………とって……」 「…………比呂美……」 陰唇に当たる隆起を撫で上げようとする比呂美の動きを、眞一郎は腕を掴んで止めさせる。 そして、そのままの姿勢で瞼を閉じ、眞一郎は心に埋もれた答えを探し始めた…… ………… ………… 「後悔しないか?」 一瞬とも永遠ともつかない間の後、再び開いた眞一郎の目が、覚悟を決めた力強い光を放って、比呂美の心を射抜く。 比呂美はその眼差しに反応して、自分の子宮がキュッと収縮するのをハッキリと自覚した。 (………はぁ……眞一郎くん……) 濁りの無い眼光で自分の心を貫きながら、もう一度「後悔しないか」と訊いてくる眞一郎。 想いが届いた喜び……そして気持ちと気持ちが繋がった充足感が比呂美を満たす。 「しない…………するわけないじゃない……」 比呂美が身体に充満する想いを口にし終わるのを待って、眞一郎は唇を重ねた。 そして擦り合わせていた局部に手をやり、自身の隆起を覆う皮膜を剥ぎ取る。 パチンというゴムが弾ける音と、眞一郎から直接伝わる熱が、願望の成就が近いことを比呂美に教えた。 (…………来る……眞一郎くんが……私の………中に……) キスを解いた眞一郎は、陰茎を溝に合わせてスライドさせ、愛液を茎の腹にまぶし出した。 眞一郎の雫と比呂美の露とが混じり合い、クチュクチュという卑猥な音がロフトに充満する。 比呂美はその感触と音に引かれるように、首を曲げて、眞一郎が没頭する『作業』に目をやった。 ……大きく開いた自分の股…… その間を眞一郎の腰が前後するたびに、張り詰めた亀頭が見え隠れする…… 視覚、聴覚、触覚の波状攻撃が、比呂美の中の『牝』を呼び起こしていく。 (…………欲しい…………) 女から求めるなんて、はしたない……それを百も承知の上で、比呂美は噴きあがる欲望を口にした。 「……眞一郎くん……来て……」 桃色の陰唇だけではなく、宝石のような瞳までも熱く潤ませながら、比呂美は眞一郎に挿入をせがむ。 小さく頷いてから、眞一郎は陰茎の照準を充分に解れた肉の裂け目へと合わせた。 亀頭の先端をめり込ませてから、眞一郎の両腕が比呂美の上半身を抱きしめ、逃げられないように固定する。 「……眞…一郎くん……」 「少し我慢して。一気に挿れる」 ゆっくり挿入すると、痛みが長引いてかえって辛い、と眞一郎は言った。 返事はせずに両目を閉じ、眞一郎の背中にしっかりと腕を回して身体を密着させる。 胸の辺りに感じる眞一郎の鼓動に意識を集めながら、比呂美はその瞬間を待った。 陰茎の長さの分、離れていた腰を、眞一郎は比呂美に向かって前進させた。 充血した亀頭を膣に半分ほど埋め込むと、痛みを感じ始めたのか、背中に当てられた比呂美の指に力がこもる。 「…ッ!!!……ん…いッ……痛……」 繋がりたい、という気持ちはあっても、痛みを受ければ、肉体はそれを退けようとしてしまう。 比呂美の身体は上へと逃げ始め、両手は眞一郎を押し返すように動いた。 (ゴメン……我慢してくれ) 一気に貫くとは言ったものの、狙いを外さないために、ある程度…カリ首までは慎重に埋没させる必要がある。 少しでも早く比呂美の苦しみを終わらせなければ…… 眞一郎はそう思い、挿入に全神経を集中した。 「……痛い……痛…いよ……」 苦痛を訴える比呂美の両眼が、喜びではない別の涙で濡れている。 それを見て、萎えそうになる気持ちを無理矢理に奮い立たせると、眞一郎は挿入を続けた。 上半身を捕まえていた腕を、片方だけ腰に回し、固定を確かなものにする。 「比呂美……いくよ」 そう声を掛けると、比呂美の顔が「もっと痛くなるの?」とでも言いたげに曇り出す。 ……だが、もう構ってはいられない…… 苦しむであろう比呂美の顔を見ないで済むように唇を重ね、麻酔換わりの唾液を比呂美に与える。 …………そして………… 引き絞った弓を解き放つように、眞一郎は自らの矢を比呂美の膣へと打ち込んだ。 「んッッ!!!!!」 反動をつけて繰り出された一撃を受けると、比呂美はキスを振り解いて仰け反った。 全身に薄い汗の膜をまとって硬直してしまった比呂美を包むように、眞一郎は身体を密着させる。 耳元で鳴る、比呂美の奥歯が軋む音…… 快感ではない痺れに震える華奢な身体…… そして陰茎に感じる、『膜』を引き裂いた確かな感触と、肌よりも遙かに熱い温かさ…… 感動、などという軽い言葉では言い表せない……比呂美の処女を奪ったという実感…… ……だが、儀式はまだ終わりではない。 (あと、もう少しだ……もう少しで……『届く』……) 苦痛に耐えている比呂美に申し訳ないと思いながらも、眞一郎は最後の仕上げに取り掛かった。 膣の中程まで潜り込んだ亀頭の、ほんの数センチ先に潜んでいる比呂美の『女』…… 眞一郎はそこを目指して、自らの陰茎を根元までグッと押し込んだ。 「あああああぁぁっっ!!!」 悦楽とも悲鳴ともつかない比呂美の絶叫が、天井と壁に反射する。 膣の側壁とは違うコリッとした硬さを亀頭に感じ、眞一郎は自分が、比呂美の一番大切な所へ辿りつけたことを知った。 (……繋がった…………俺は……俺は比呂美の中にいる……) 至高の悦びに包まれ、自然と子宮を突き上げるように動いてしまう眞一郎の腰。 その動作が比呂美に痛みとは違う感覚を与えたのか、今まで拒絶に動いていた身体の動きが変化した。 肩を押していた腕は首に回され、投げ出されていた脚は、眞一郎の腰の後ろで下半身を引きつけるように交差する。 (動かしても平気……か?) しがみつく様な比呂美の反応を、眞一郎は誤解してしまった。 腰を軽く揺すって陰茎を少し前後させると、比呂美は「痛っ!」と叫んで、更にきつく抱きついてくる。 「動…かないで… ……痛いの……」 一番敏感な部分の『肉』を裂いたのだ。すぐに痛みが無くなるわけはなかった。 「ごめん。……少し…このままじっとしていよう」 耳元で優しく呟いて、比呂美を抱きしめたまま、差し込んだ部分を動かさないように身体を静止させる。 慌ててはいけない…… そう己に言い聞かせ、眞一郎は比呂美の心と身体が落ち着くのを待った。 ………… ………… 暫くすると、比呂美の呼吸の乱れは徐々に落ち着きをみせ、全身の緊張も緩んできた。 上半身だけを少し離し、顔を覗いてみる。 相変わらず痛みはあるようだが、挿入を始めた直後よりは額の険もとれて、幾分か楽になっているように見えた。 「比呂美、大丈夫か?」 自分でこんな目に会わせておいて、大丈夫も無いものだが、他に言葉の掛けようが無い。 「……大丈夫じゃない」 比呂美は薄目を開けて「う~っ」と唸ると、右手で拳骨を握って、眞一郎の頭を軽く小突いた。 「いてっ」 絆創膏が張られた部分を避けて命中した攻撃に、眞一郎が思わず声を上げる。 比呂美が「これでチャラ」と言って悪戯に微笑むと、眞一郎も困ったような顔で笑い返してきた。 「まだ痛いか?」 「うん…ちょっとズキズキする。……ちゃんと…全部挿ったの?」 恥ずかしいことを口走りながら、眞一郎が嵌まり込んでいるところを覗き込んでみる。 (……やだ……すごい……) 桜色の肉が左右に割れ、その中心の孔が、眞一郎の陰茎をしっかりと咥え込んでいた。 それに会陰部を流れる、愛液とは違う生温かい液体の感触…… 少量ではあるが、やはり出血もしてしまったらしい。 「……挿った…ね……」 「……うん……挿った」 二人で結合している部分を凝視しながら事実を確認し終わると、眞一郎は顔を近づけ、唇を求めてきた。 痛みで動けない以上、今できる愛撫はこれだけ、ということなのだろう。 互いの唾液を呑み合う激しい口付けを交わしながら、意識を膣の内部に向けてみる。 先刻、手の平で感じた熱の塊……猛々しいペニスの息吹が胎内に感じられた。 自分でも触れたことのない…女の器官を押し上げて圧迫してくる、眞一郎の情熱…… (……眞一郎くんが……眞一郎くんが…私の中にいる………) 『女』になったのだ、という強烈な実感…… 形容不能な想いが心を震わせ、自然と目尻に透明な雫が湧き出した。 「! 比呂美……また痛み出したのか?」 比呂美の喉が嗚咽で鳴るのに気づき、眞一郎は慌てて身体を起こす。 「……ううん…………違うの……」 首を横に振り、これが悲しみの涙ではないことを知らせる比呂美。 …………眞一郎と深く……深く繋がることが出来た………… その喜び……充足感を泣く事でしか表現できないのが……もどかしい。 「……眞一郎くん……好きよ…………愛してる…… あなたがいれば…私は……」 …………他には何もいらない………… と言いかけて、それはとても陳腐なセリフだと気づき、途中で言葉を打ち切る。 伝えられない…… 言葉じゃ足りない…… ……心が…苦しい…… だが、その気持ちは眞一郎も同じだった。 「……俺だって…俺だって、お前を愛してる…… お前がいれば……俺は……」 眞一郎も、想いを最後まで言葉にすることが出来ない。 口先で紡ぎだす音では不足だと、その苦しげな表情が物語っている。 「比呂美っ」 伝えきれない想いをぶつけるかの如く、眞一郎は闇雲に身体を抱きしめてきた。 その動きが傷口を擦り、忘れかけていた苦痛が蘇って、思わず「んっ」と呻きを漏らしてしまう。 「あっ、ゴメン!」 「いいの……もう…大丈夫だから……して……」 「……無理するなよ。もう少しこうして…」 眞一郎の気遣いを、比呂美は柔らかな微笑みで遮り、痛みの先にあるものを要求する。 「したいの。……眞一郎くんと……」 「……比呂美……」 ……本当は…本当の想いは……もっと深い…… ……溶けたい…… ……溶けて混じって……眞一郎と一つの存在になりたい…… ……でも、それが叶わないなら……せめて…… ……この痛みの向こう側にあるものを……眞一郎と二人で…見つけたい…… ……そこに……二人の想いを本当に繋げてくれる何かが……ある気がするから…… ………… 「…………眞一郎くん……『セックス』……しよ……」 ただ純粋に……眞一郎を求める比呂美の…飾りの無い素直な言葉。 「…………」 僅かな逡巡のあと、眞一郎は比呂美の想いに応えるように頷くと、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。 つづく ある日の比呂美12
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342 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 34 43 ID 3O8iWGs3 13話で比呂美は「いいよ…」って眞一郎に言ってたけど もしそうなったらどうするつもりだったんだろ? もしものためにゴムを隠してたりしたんだろうか それとも生で(ry 343 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 39 12 ID qij2GUrf 342 もちろんな(ry 344 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 39 28 ID L7pE6oey 342 眞一郎を繋ぎ止めておくために生なんですね? そして、もしコンドームがあったとしても穴が開いてるんですね?わかります! 345 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 39 51 ID 6tLfOULd 342 当然生だろう。 てか、子供が出来たら堂々と眞一郎を独り占めできるからなw 346 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 40 39 ID 6HkeFbQq 342 ガタッ さすがにあそこまで追い詰められていたとしても、比呂美も本気ではなかった気がするなぁ 眞一郎の心が100%自分に占領されないと体は許さないと思う 眞一郎がそうゆう行動に出たら最後には抵抗するだろう 347 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 40 45 ID ZpyCqZlg 多分眞ちゃんが外に出そうとしても 比呂美は足でカニばさみするよ 348 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 41 45 ID yHCMhT/s 342 かなりテンパってたからな マジで自衛措置なんて頭になかったろ 349 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 45 47 ID bCDhcN7k 途中で相手に泣きじゃくられるセクロスとか嫌なんだぜ 350 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 45 48 ID Rz8I2suy 346 Piaキャロ2のあずさBAD END思い出したw 351 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 46 01 ID 0fcfofwG 347 想像して射精した 352 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 46 04 ID 6tLfOULd 346 マジレスすると、そやね。 エロゲなら、確実にバッドエンド直行の選択肢。 最後に抵抗 ↓ 気まずい雰囲気に ↓ 次第に疎遠になり、破局 ↓ 愛ちゃ(ry 353 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 47 36 ID HgSBW2pn 一応、作られた純愛物だからガキが出来たら即拘束なんであそこでエロ描くなら生でしょ。 あのタイミングのあのお話でゴム付け表現はうざい。 354 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 48 58 ID HgSBW2pn 349 痛さで泣かせたなら、サイズ合ってないか、下手なだけ。 355 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 49 54 ID ZEOHa64j 比呂美はパイパン? 356 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 49 55 ID wpRi+feK 何故だろう。 抵抗する以外のケースを思いついても書き込む気にならない。 あまりに比呂美に惚れすぎたからだろうか。 まあそれプラス 349にハゲドウだからだろうな( A`) 357 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 51 24 ID HgSBW2pn 355 スポーツしてるなら処理はしてるだろうがツルツルじゃないだろ。 無駄毛処理してない女はさいあく。 358 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 52 11 ID ZpyCqZlg 355 本スレで聞け 359 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 55 40 ID 6HkeFbQq 355 ビニキラインは眞一郎が整えてるよ 360 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 56 47 ID 5poRr2ut 比「できちゃった・・・」 眞「え、そんな!まだ来てないって・・・」 361 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 56 55 ID GZoLaU4c 342 「いいよ・・・」より「嫌いにならないで!」のほうが興奮した俺は間違いなくS体質 362 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 23 57 44 ID ZEOHa64j 357 濃いと思う? 363 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/06(日) 00 00 10 ID Dzse33pS 溢れ出る思い、ちゃんと3話と10話の祭り回想で流れてるんだな 366 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/06(日) 00 09 48 ID 3uO42ppz 生だゴムだ毛が濃いだビキニだ溢れ出るだ まったくけしからんな(`・ω・´)
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ここで空気を読まず小ネタ投下 「ねえねえお母さん、この写真ってお父さんだよね?」 「そうよ、たしかお父さんが高校生の時に祭りで花形を務めた時に撮ったものね」 「じゃあ、お父さんと一緒にうつってるこの人だぁれ?」 「判らない?それはお母さんよ」 「えー? うっそだー、いまとぜんぜんちがうよー」 「あらあら、ひどい言われようね」 とは言ったもののそれが若い頃の私と気付けと言うのは無理だろう。 今でこそ髪を長く伸ばしている私も当時は頭皮の病気を患い、 衛生面の問題もあって常に短く刈り揃える事になっていたのだから。 それが長期に及んだ上、私も物事をあまり気にしない性分だったため 特にコンプレックスも覚えず気にもしていなかったので 私が片思いしていた眞一郎さんも含めて皆半ば本気で私が少年だと思い込んでいたらしいのだ。 酷い話とも思わないでもないが病気が完治して髪を伸ばし始めた私の姿に驚き、 それまでのギャップもあってか眞一郎さんは私を女として意識する事となり 結果、両想いになって結婚できたのは喜ばしい事ではあるのだが
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前:ある日の比呂美・豪雪編2 逃げる眞一郎の硬直を、比呂美の細い指先が追いかける。 中指の腹で、下から上へとすくい上げるように愛撫が奔り、思わず眞一郎は呻き声を漏らした。 「するのは……ダメ…」 今夜はちゃんと避妊の出来ないし、始めてしまったら声を抑え込む自信も無い。 視線を逸らしたまま、比呂美はそう呟いた。 「でも、ちゃんとしてくれたから……お礼したいな」 「待てよ。 俺、そんなつもり……」 比呂美は、抗弁が終わるのを待たなかった。 跪いて眞一郎の腰に指を掛けると、一気に寝間着と下着を、膝の辺りまで引き下ろしてしまう。 「…………おい……」 非難めいた声を出しながらも、眞一郎はその場から動けなかった。 下半身を丸出しにした滑稽な姿で、比呂美を見下ろす顔に戸惑いが浮かぶ。 「……口で……してあげる」 硬化した陰茎に頬をすり寄せながら発した、比呂美の扇情的な誘い文句に、眞一郎の背中がぶるりと震えた。 連動して動いた陰茎が比呂美の頬を軽く打ち、抑えきれない興奮を伝える。 「呑んじゃえば大丈夫。 ……ね?」 比呂美はちゃんと、『事後』のことまで考えを巡らせていた。 今日は精を膣で受けとめる訳にはいかない。 かといって外に放出すれば、放たれる臭いと眞一郎の精を拭き取ったティッシュの始末が大変だ。 …………ならどうすればいいか………… 選択肢はひとつ。 別の口から『眞一郎』を受け入れるしかない。 「でも、お前さ……」 言いかけて口篭ってしまった眞一郎が、何を言いたいのかは分かっている。 比呂美はフェラチオという性技が、あまり得意ではなかった。 『前戯』として最低限の奉仕は何度もしているが、口だけで眞一郎を絶頂に導いたことはない。 「だからしたいの。 今夜は……眞一郎くんの……呑みたい」 蕩けた瞳で見つめながら、比呂美は「横になって」と眞一郎を促す。 「…………」 もう、比呂美の誘いと破裂しそうな欲望に、自分は抗うことは出来ない。 そう考えた眞一郎は、既に敷かれていた布団の上に身体を横たえると、下に身に着けていたものを全て脱ぎ去った。 ※ 念の為にドアの鍵を掛けてから、比呂美はハの字に開かれた眞一郎の両脚の間に身体を収めて座る。 「私も脱いだ方がいい?」 枕に埋め込まれていた眞一郎の首がくいっと起き上がって、「えっ!?」と驚きの視線を比呂美に送った。 そんな事を訊いてくるとは思わなかったのだろう。 お前の好きにすればいいよ、と裏返った声で答える眞一郎に、比呂美の口元から笑いが漏れる。 口淫が初めてという訳でもないのに、何を緊張しているんだろう。 (……かわいい) そう、眞一郎は時々かわいい。 かわいくて……かわいくて……何だか苛めたくなる…… ………… 比呂美は寝間着の前を広げてブラを取り去ると、乳房を露出させた。 ごくりと音を鳴らす眞一郎の喉……それを無視して覆い被さるように陰茎へと近づく。 「……比呂美」 「動いちゃだめ」 意地悪く笑ってから、腹筋に張り付く形になっている勃起に、比呂美は手を掛けた。 重力に対して水平になっている肉棒を垂直に立たせ、張り詰めて艶を放つ先端を、自らの乳首にあてがう。 「うっ…」 鈴口に加えられた快美な刺激に、眞一郎は呻きと共に先走りの体液を溢れさせた。 それを潤滑油として、比呂美は円を描くように、握った陰茎を己の乳首に擦りつける。 湧き出す粘液が比呂美の小梅に纏わりつき、まるで化粧を施したかのような美しい艶を与えた。 「ふふ。……どう?」 左右の乳首へカウパー氏腺液を塗り終えた比呂美は、誇らしげに乳房を眞一郎の視界へと晒す。 薄く開けられた瞼の奥にある眞一郎の瞳が、妖しく光る乳房の先端に縫い付けられた。 官能的な視覚情報に刺激されて、ビクビクと震え出すペニス。 比呂美はそれを確認してニヤリと口を歪ませると、「始めるね」と小さく囁いてから身体をずらし、 鼻息の荒くなりはじめた眞一郎の股間……灼熱の剛直へと顔をうずめていった。 次:ある日の比呂美・豪雪編4
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女の戦い 比呂美は数歩の距離を挟んで、石動乃絵と相対していた。 (絶対に負けるものか!) 必勝を心に誓い、相手を睨む。何と言っても敵は"あの"石動乃絵だ。万が一に でも負けるわけにはいかない。全身の筋肉を確かめ、力を溜めていく。 …じりっ… 間合いとしては少し遠いが、踏み込みからの中段攻撃には自信がある。出方を 見ていては、相手に主導権を渡すかもしれない。石動乃絵に常識は通用しそう にない、最も自信のある攻撃で、早めに決着を着けるべきだと比呂美は考えた。 …じりっ… 右足を少し曲げ踏み込みの体制を作る、同時に左腕を少し前に出し右腕に力を 集中していく。 …バッ… 比呂美が先制攻撃を仕掛ける前に、石動乃絵が先に動いた。 (ちっ!) 石動乃絵が突っ込んでくる。比呂美はとっさに防御しようとするが、間に合い そうにもない。 (しまったっ!) …ひゅっ… 比呂美が気付いた時には、石動乃絵が間合いから少し離れたところで、うすく 笑っている。先制攻撃を読まれたことと、人を馬鹿にしたような笑い方に怒り を覚える。しかし、それにしても石動乃絵の運動能力は侮れない。こちらを覚 悟を決める必要がありそうだった。先手を打たれたのは致し方ないが、幸い、 今の立ち位置は自分に分がある。先ほどの動きからして、石動乃絵はスピード 重視の戦闘スタイルのようだ。スピードならこちらにも自信はある。 比呂美は、得意の中段攻撃を繰り出した。 …ずさっ…ぼっ… 左足で踏み込んだ震脚から力を右拳に伝達し、石動乃絵の腹部から胸部の辺り を目がけて衝撃を放つ。 石動乃絵は避けようとしない。 (もらった!) …ずっ… 比呂美の右拳が空を切った。 (なにっ!?) またも石動乃絵が間合いから少し離れたところで、今度は無表情で立っている。 (どういう動き?) 比呂美には石動乃絵の動きが見えなかった。戦慄が背筋を凍らせる。 (ちっ、動きが読めないと攻撃も防御も難いじゃない!) 続きはTVアニメ第7話で。 END -あとがき- っていう、美少女格闘アニメ? 書いて反省しています。 第7話放映まであと少し、木曜日深夜に書きました。スレに喧嘩のことについ て、触れられていたので書いてみました。 アップしてからスレに"SS書きました"と貼ろうか、と思ったのですが、もう 一度読み返してみたら、酷い内容でしたので、やめました。 よって、アーカイブのみ入れます。 最後に、ありがとうございました。損したって思わないでね。
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もう乃絵のためには踊れない。夜の海でそう乃絵に告げた。 聞き出した携帯に連絡をとり、じべたを小屋に戻し、高校近くのコンビ二で石動純を待つ。 疲れと寒さで、乃絵はうとうとしている。勝手なやつだと少しだけ腹立たしい。 多少はましかと思って、自分のマフラーを乃絵に巻いてみたが、彼女の頬は白いままだ。 30分程して石動純がタクシーで到着した。こちらを一瞥してカウンターへ向かうと、熱い缶飲料を2つもって 戻ってくる。ああ、俺って間抜けだなと思う。 熱い缶を握らせ、動きの鈍い乃絵の体をさすりながら、何度も乃絵に話しかける石動純。 俺は渡されたコーヒーを開けて、一口飲む。熱い液体が心地良い。 間近で見るとやはり乃絵と似ているなと思う。表情は硬い。バイク事故の際自分が比呂美を見つけたときも、 こんな顔をしていたんだろうか。土地勘のない石動純は、夜の街をどう走ったのだろう。 慇懃に礼を述べ、石動純は乃絵をタクシーへと促す。 「湯浅比呂美にも後ほど改めて…」 俺は首を振り、交換条件など持ち出した非礼をわび、二度と連絡しないでくれるよう伝えた。 石動純の目の中に逡巡の色が動き、何か言おうとする。と、乃絵が何事か小さくつぶやいた。 それに気をとられるうちに、早く仕事を切り上げたい風の運転手が降りてきてドアを開けてくれ、 二人は車内に乗り込んだ。石動純が目礼し、タクシーは動き出す。 飲みかけの缶をゴミ箱に捨て、しんと凍えた雪の小道を歩き出した。 首筋が寒い。帽子を深くかぶり直す。乃絵に告白した日に似たもやもやした感じ。 誰かに伝えたくて、雪の中で愛ちゃんの店が開くのを待ったっけ。 今日は麦端祭の日。明け方までまだ少し間がある。体を休めたい。でも行かなくちゃ。 携帯を取り出して電話。1コールで相手が出る。やっぱり起きてた。 今から部屋に行く許可をもらい、電話を切る。 何度も怒らせ悲しませるだろうし、いつかだめになってしまうかもしれない。 それでも、今は彼女を安心させたい。話したい。会いたい。 暗い竹林の中、靴にまとわりつく新雪を踏み分け、俺は比呂美のアパートへと向かった。 了
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700 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 15 51 39 ID 3Xz8Na6P 「幼馴染みで諸事情あって主人公と同居するヒロイン」 これって ギャルゲ系じゃよくある話なんだけど こういう設定の場合 寝坊する主人公をキックで起こしたり 血が繋がってなくても お兄ちゃんとか呼んで過度に馴れ合ったりして 表面上は家族のような仲だけど本当は・・・みたいなパターンが圧倒的に多いんだよな ところが比呂美の場合 一緒に暮らしてるのに家では他人行儀 学校じゃほとんど口もきかないし 付き合う友達も別々 明るく活発で優等生な「表の顔」と 暗くて萎縮して泣いてばかりの「裏の顔」という二面性があって 主人公に対する想いも(初期の段階では)見えにくい というかなり複雑なキャラだった でも これはかなり新鮮だったしリアルだなーと思ったよ 706 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 17 27 43 ID JtWyF/nr 700 「幼馴染みで諸事情あって主人公と同居するヒロイン」 この場合はたいてい主人公が親が居なくてヒロインの家で同居なんだよね ところが比呂美の場合はヒロインが天涯孤独で主人公の家で同居 この状況ではもし他のヒロインを選べば同居ヒロインは居場所を 完全に失ってしまうから物語的には主人公は同居ヒロイン以外は選びようが無い 710 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 17 34 38 ID PWwnwMml 706 面白い視点かもしれない。 仲上比呂美と湯浅眞一郎であったら、どうなっていただろうか? 条件的には、各々の「基本的な性格」は同一とする。 眞一郎が仲上家に入った後、遠慮による居心地の悪さと姉弟疑惑がかかり 強い抑圧状態で性格や行動に変化が現れるため、本編とは性格や行動に差異が出る。 比呂美側は両親を失っていないため、眞一郎への依存度が相当下がる。 ママンは「うちの娘に何するの」状態で…きついなこの条件はw 713 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 17 44 57 ID T9wO0Zou 比呂美はやることなすことすべて裏目、地雷踏みまくり、フラグ折りまくりで 見てて危なっかしかったからな そこが良いのだけどw 715 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 17 48 13 ID Qvbz/bU4 706 でもそこで比呂美一人暮し展開 「比呂美とくっつくとはかぎりませんよー」というミスリードを誘う展開を入れて 結局この展開だから困るw 716 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 18 00 27 ID 3Xz8Na6P 710 立場が逆になった場合 もっとベタな展開が待ってたと思うよ それこそ寝坊してる眞一郎を比呂美が起こして 仲良く一緒に登校するような兄妹的な関係になりそう 比呂美は家庭内に問題がないため 本来の明るく活発なキャラを家でも全面に出すだろうし ママンは異性である眞一郎には嫉妬心を抱かないので いびりも発生しない ヒロシにしても 娘に虫がつくことを嫌うならそもそも同居させない となると 眞一郎も他人の家に居候してるという居心地の悪さを感じることなく平和的に過ごせるはず 717 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 18 22 05 ID 8i3TXXEH 700 その二面性は確かに新鮮だったし萌えた 739 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 20 53 33 ID Cp/zOwdw 716 逆のパターンまで想像してみたときに、 眞一郎-比呂美が女中モノとかメイドモノに当てはまることに気がついた。 立場的にもまんま眞一郎=ぼっちゃん、比呂美=女中だよなあ。 ところで何故メイド服妄想が出てこないんだ? 関係ないけど、比呂美にミニスカートは似合わない気がするけれど、 何故かメガネだと似合う気がする。これまた不思議。 いや、何書いてんだ俺。 743 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 03 12 ID M/oav8M6 739 まあ一口にミニと言っても色々あるからな。 俺としては、ポニテ&テニスウェアが譲れないコスなわけなんだが。 746 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 05 25 ID Vu4KiGx+ 739 比呂美のOL姿なんてどうよ? 748 ◆sattoAlWHM sage 2008/04/09(水) 21 09 25 ID iiBBRfyw 739 比呂美の冥土服については、自分の脳内妄想では 2年の学園祭で眞一郎・比呂美のクラスでは コスプレ喫茶をやることになっているw 751 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 22 48 ID Qvbz/bU4 739 世界観、雰囲気の問題だろう ttは和の雰囲気だし メイド服、ネコミミとかは想像しづらい スク水でさえ寒い田舎で体操服がハーフパンツの時点で結構無理があるしな 水泳の授業があるとすると競泳用の水着で室内プールだろうな 753 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 29 00 ID kEnaguyn 美術の授業で比呂美がモデルになったりしたら 面白い展開になったのになー 754 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 29 48 ID xktL33Q2 739 比呂美を女中扱いにすると可愛いより可哀想が強く出るから胃痛に苦しむ住人が本能的に避けたんだと思う 760 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 44 24 ID PUbIHdxF 739 女中設定じゃないけど雪掻きとか帳簿付け、朝の料理したり、眞一郎のご飯よそったり、眞一郎の服を部屋に運んだり 高1なにのホント働き者だよな 比呂美は良い嫁になるわ 768 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 21 59 35 ID Cf7vQ+H4 716 立場が逆転か・・・ 両親が健在で、大好きな人と同居で 幸せな日々を送る比呂美。 気になっていた異性の家に引き取られ 父親から「家の娘に手を出したら許さん」と 言われ遠慮した毎日を送る慎一郎・・・ それはそれで見てみたいかもwww 784 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 22 40 40 ID eS9dzDJK 746 OL ゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!! 789 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 22 47 56 ID eS9dzDJK 754 なるほど・・・。 760 そんな所も、かいがいしくて可愛くて健気で萌える。 791 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 22 50 54 ID sL8FBW51 788 勿論、集中して描いてるから気づいたら裸の絵になってるわけだな 793 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 22 54 54 ID Cp/zOwdw 授業じゃなくても、 きっと眞一郎はモデルを頼むと思うんだ。 アパートで・・・も、もちろんヌー・・・。 794 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 22 57 02 ID eS9dzDJK 「OverDrive」っていう自転車のアニメで、そんな場面があったな。主人公は絵を描くのが 得意な男子高校生で、好きな女の子に「絵のモデルになってくれ」って頼んで、 許可して貰い、描くんだけど、女の子は制服なのに、できた絵がなぜか水着姿。 796 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 22 59 14 ID SQpTUCfm 794 第1話の時点で制服を透視してたしな 眞一郎、素質十分だ 820 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 23 37 07 ID eS9dzDJK 796 その時みたいに思いっきり透視しそうだな。比呂美が絵のモデルになったら。描きながら。 823 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/09(水) 23 44 27 ID kEnaguyn 美術の授業で眞一郎の画力にまた盛り上がるクラスメートとあさみ そして不機嫌そうに立ち上がるモデル・・・あれ?
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※比呂美と眞一郎が恋人になって数週間。初体験より前という設定です 眞一郎は大きな買い物袋を左手に持ち替えると、ポケットから合鍵を取り出した カチャカチャ…ガチャン 玄関を開けると、二組の靴が並んでいた。一足は比呂美の靴、もう一足は… 「おっ、やっとカレシ様が来たか。それじゃ邪魔者は失礼するわね」 「ありがとう、朋与」 すれ違い様、朋与が声をかける 「まだ熱があるんだから、襲ったりしちゃダメよ(笑」 「…!!」 眞一郎は何か言い返そうとするが、うまく言葉が出てこなかった 比呂美はロフトではなく、カーペットに布団を敷いて寝ていた 頭がクラクラして、昇り降りするのが辛いのだろう 「やぁ…具合はどう?」 「午前中に病院へ行ってきた。おばさんがタクシー呼んでくれて、付き添ってくれたの」 「そうか…」 「やっぱり風邪なんだって。点滴してもらって、熱も下がったから大丈夫」 「治るまでは無理するなよ。…そうそう、スーパーで色々買ってきたんだ」 「ありがとう、眞一郎君」 袋の中からは、スポーツドリンク、フルーツゼリー、りんご、レトルトのお粥に、カップうどん 次々と色々なものが出てくる 比呂美のことを考えながら、あれもこれもと買い物カゴに入れていったので 財布の中は随分と寂しくなってしまった 「…何か食べたいものあるか?」 「りんごが食べたいな」 「よし、ちょっと待ってて」 眞一郎は包丁を片手に台所に立つと、馴れた手つきでりんごを切った 高校生の男子にしてはかなり器用な方だろう ウサギの形をしたりんごが、皿の上に並べられていく 「お待たせ」 「ウサちゃんだ、可愛い♪」 比呂美の笑顔を見ることができて、眞一郎も満足そうだ だが、比呂美はなぜか食べようとしない 「眞一郎君、わがまま言ってもいい?」 「何?気分悪いのか?」 「ううん。…あのね……食べさせてほしいの」 眞一郎は動揺した いくら恋人同士になったとはいえ、付き合い始めてからはまだ日が浅く こんなに甘えてくる比呂美は初めてなのだ 「し、仕方ないなぁ…はい…」 小さなフォークでりんごを刺して、比呂美の口元へもっていく しかし比呂美はプイッと顔を向こう側へそらしてしまった 「口移しで食べさせて……」 「!?」 「……噛み潰してから…」 「!!!」 フォークからウサギが飛び跳ねた 『本当にいいのか…こんなことして…』 「しゃくしゃくしゃく…」 眞一郎は比呂美の枕元で、正座をしながらりんごを食べている 食べるといっても口の中でつぶすだけで、飲み込んではいけない 比呂美は相変わらず向こう側を向いていて、赤くなった耳だけが見えた りんごを口に含んでいるせいで、喋ることはできない 咀嚼の音がしなくなったことに気づいた比呂美は、 眞一郎のほうに顔を向け、目を閉じてから、小さく口を開いた キスを通して、ゆっくりとりんごを比呂美の口の中へ流し込む 「んっ…」 長いキス。舌を使って少しずつ渡されるりんご、それを受け取り、味わってから飲み込む 汗をかいて渇いた体に、りんごの甘さと愛情が染み込んでいく感じがした 「…うっ…ん……んー……ちゅっ」 ようやく一切れ分を食べ終える 照れている眞一郎とは対照的に、比呂美は満足そうな表情だ 「眞一郎君、もっと食べたい♪」 結局、比呂美はりんご一個分を全部食べてしまった 比呂美を直視できない眞一郎はふらふらと視線を泳がせる その目に入ってきたのは、テーブルに置かれた雑誌だった 高校生の読者をメインとしたファッション雑誌、それを何気なくパラパラと眺めてみる 【特集:カレシを落とす20の法則☆】 【聞かせて!みんなの初エッチ】 思わずそのページで目が止まる 『比呂美もこういうの読むんだな…』 「眞一郎君…」 「な、何!?」 慌てて雑誌を閉じる 「汗で体がベトベトするから、着替えたい…」 「ごめん、すぐ外に出るから」 立ち上がろうとする眞一郎の手を掴む比呂美、その力は意外なほど強い 「眞一郎君が着替えさせて…」 「そ、それはさすがに…ちょっと」 「…私たち付き合ってるんだよね?」 「そうだけど…」 「だったら着替えを手伝うくらい、いいよね?」 「…」 「お願い」 「…わかった。手伝うだけな」 「ありがとう。そこのタンスの三段目に学校のジャージが入ってるの」 「……あった」 「あと一番上の小さな引き出しに…下着も入ってるから」 「…あ、あぁ」 言われた通り、一番上の小さな引き出しを開けると 中には小さく畳まれたカラフルなショーツが並べられていた そんなものを見せられて、健全な男子が何も思わないはずがない 『変なこと考えるな、俺!あくまで着替えを手伝うだけなんだから!』 「…どれ?」 「どれでもいいよ。眞一郎君の好きなやつでいいから」 好きなやつ…と言われても、広げなければ形がわからない たくさん並べられた丸い布の中から一枚を選べと言われても 何を基準にすればいいのか、眞一郎は困ってしまう 『あんまり派手なのを選んだら、スケベな奴だと思われかねない… これはどうだ?あ、これは前に見たことあるぞ』 「眞一郎君?」 「は、はい!」 比呂美の声に驚いて、慌てて手前にあった青と白の縞々のショーツを手に取り、引き出しを閉めた 掛け布団を取って、パジャマのボタンを上から順番に外していく 三つ目のボタンを外したとき、比呂美の白い乳房が露になる 「ブラ、してないんだ…」 「寝るときはしない子のほうが多いのよ」 「そうなのか…」 「眞一郎君のエッチ」 「…ごめん」 眞一郎は、上着を脱がせると用意したお湯にタオルを浸し、固く絞って比呂美に渡す 「眞一郎君が拭いて…」 背中から順番に体を拭いていく、前を拭くときは乳首に当てないように慎重に… 『手伝うだけって言ったのに、全部俺がやってるような気が…』 上半身をきれいにすると、体操服を着せる いつも学校で着ているものだが、今は乳首が浮き出ていて艶かしい 「じゃあ俺、出とくから…」 再び部屋を出ようとする眞一郎、しかし比呂美が腕を掴んで逃がさない 「眞一郎君、まだ終わりじゃないでしょ…?」 パジャマのズボンに手をかけると、比呂美は脱がせやすいように腰を上げた 汗でぐっしょりと湿ったショーツも脱がせる 初めて見せる、比呂美の裸の下半身 綺麗に整えられた黒々としたヘアや、局部までもが丸見えになっている 積極的だった比呂美だが、眞一郎の視線を感じて手で隠してしまう 「じゃあ拭くから…」 「うん…」 太ももから爪先まで、丁寧に拭いていく あまりに丁寧すぎて、比呂美はくすぐったさを感じてしまう 「ひゃ…」 「ごめん」 「ううん。ちょっとくすぐったい(笑」 どこまで拭こうかと迷ったが、結局大事な部分にタオルを当てることはなかった 「…腰、上げて」 新しいショーツを足首に通して穿かせる 「これ、眞一郎君が着替えを覗いたときのやつだね」 「あれは覗いたわけじゃないってば…」 「ふふふ」 まるで子供のように着替えさせてもらう比呂美 普段は真面目な優等生を、ここまで積極的にしたものはなんだろうか 『眞一郎君ってお行儀いいんだね……』 「おはよう、朋与」 「比呂美!もう風邪は治ったの?」 「うん、もう大丈夫。今日からバスケ部の練習にも行くから」 比呂美は眞一郎の机をチラッと見る。そこに眞一郎の姿はない 「仲上君なら今日は休みらしいよ」 「え?」 「風邪ひいちゃったんだってさ」 ―終―
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負けるな比呂美たんっ! 応援SS第28弾 『幸せのお裾分け』 進級を控え新たなメンバーを迎える前の1年生最後の合宿 何とか初日の日程を無事終えた 入浴を済ませると皆と別れ自動販売機でジュースを買う 頼まれてはいないけど同室の友の分も当たりをつけて買っておく 階段を登って割り当ての部屋へ ドアを開けると彼女がベッドに寝転んだまま携帯を眺めていた 彼女は携帯中毒ではないはずなので割合珍しい光景ではある 私に気付くと 「おかえりー」 と携帯を閉じて声を掛けてくれた ジュースを彼女に勧めたが 私の選ばなかったほうで良いと言う 記憶を頼りに彼女の好きそうなほうを渡す 今日はもう寝るだけなので 私もベッドに寝転んで彼女ととりとめのない話に興じる しばらく話して気がついた どうも彼女はいつもと違っている 学校や家を離れているからというわけでも無さそうだ どこかうわの空、いつもの彼女じゃない 時折向けられる視線から察するに さっきから携帯を気にしているとみた 今夜も餌食になってもらおう 「ねえ、仲上君にはもう、おやすみコールしたの?」 「なっ、しません!」 「ふーん、てっきり離れ離れでさみしいってメールでもしてるのかと思ったんだけど」 「…べ、別に2泊する位でそんな事」 「ふーん、ねえねえ、普段はどんなやり取りしてんの?」 「普段?」 「幸せのお裾分けくらいしてよ、もったいぶらずに」 「メールのやりとりなんてしないよ」 「全然?」 「全然」 「なんで?」 「さあ、結局なんだかんだで身近にいるからかな」 「いいのか それはいいのか?」 「どうだろ」 「じゃあホントに今までメール送った事ないんだ?」 「うん」 「ふーん」 「なによ?」 「でも、今日くらいは送ったんでしょ?」 「ううん」 「いつも一緒にいる二人が離れ離れになっているというのに、何にもなし?」 「うん、そんなに いつも一緒にいるわけじゃあ…」 「仲上君からも来ないの?」 「うん」 「ふーん、そうなんだ」 「もぅ、なあに?」 「こりゃ、愛されてないわね」 「えっ」 「ふつー、愛し合う二人がこんな状況ならメールが乱れ飛んでるわよ」 「そんな事…」 「いーや、よく考えてごらん、今、この瞬間も仲上君は比呂美にメール1通送るより 大事な事やってることになるのよ」 「それは、眞一郎くんだって色々忙しいし、私なんかの相手だけしてる訳にもいかないし…」 「じゃ、比呂美は?」 「私?」 「今、仲上君にメール1通送るより大事な事何かしてる?」 「うーん」 「ほら?」 「うん」 「別に長電話で相手を縛るんじゃないんだからいいんじゃないのかな?」 「そうなのかな」 「もし、仲上君からメール来たらうれしい?」 「うん、まあ」 「『まあ』?」 「う、うれしい、かな?」 「じゃあ、仲上君は比呂美からメールもらったらどう思うかな?」 「さあ?」 「本気?」 「…嬉しいと思ってくれたら嬉しいけど…」 「比呂美ぃ、あんた仲上君のこと信じてないの?」 「え?」 「仲上君、比呂美からのメールもらっても、なんとも思わない薄情な人間だと思ってんの?」 「そんなことないけど」 「よし、決まり、思いっきりラブラブなの送っちゃえ」 「ラブラブって… そんなんじゃないんだから」 「もうっ! 送るのっ? 送らないのっ?」 「送りますっ!」 「よろしい」 「あの…」 「なに?」 「実はね…」 「うん」 「さっきから、ずっと送ろうかとは思ってたんだけど どんな文面がいいか分からなくて… どうしたらいいのかな?」 「やっと正直になったわね」 「えっ?」 「もう、分かるって、ずっと携帯 気にしてるし」 「朋与…」 「で、内容は? 下書きくらいしてるんでしょ?」 「ダメ、恥ずかしい」 「恥ずかしいような内容なんだ」 「ち、違うよ、ヘンな内容なんかじゃないんだから」 「ふーん?」 「じゃあ… 笑わないでね 『こんばんは こちらは問題ありません 早く帰りたいです おやすみなさい』 なんだけど どうかな?」 「それだけ?」 「うん」 「うーん、なんていうか、あんた達いつもどんな会話してんの? 何処に愛があるの?」 「愛って… 『早く帰りたい』に一応気持ちは込めたつもりなんだけど」 「もう少しあふれ出る情熱とかはないの?」 「そういわれても」 「『逢いたい』『寂しかった』『声が聞きたい』『帰ったら抱きしめてね』『今夜は泣いて眠ります』 とかなんとか」 「朋与すごい」 「何よ、イヤミ? ねえ、それイヤミ?」 「ち、違う、違う」 「短くていいからさ、今の素直な気持ちをひとつ入れといたら? 別にさっきのが悪いとは思わないけど」 「うん」 ブルブルブル… 突然振動音がした 比呂美の携帯? 水色のイルミネーションが瞬いている 「うそ、眞一郎くん?」 比呂美はそう呟くと携帯を取り上げる 何故表示も見ずに分かる? さてはイルミネーションを専用設定にしているのか? 一度もメールした事ない相手に まあ 何て 乙女 「どうしよう 眞一郎くんからメール来ちゃった」 そう言う比呂美はなんだかかわいい 困ってる なかなか読もうとしない 「読んでみ、もしなにか急ぎだったらいけないから」 少し脅かす そうでもしないとモタモタしそうだ 「うん」 こわごわと携帯を開いて画面に見入る 深呼吸してからボタン操作 おいおい いまさら告白でもあるまいに何を緊張してるのかね 画面をなぞる視線が緊張を帯びたものから安堵したものに変わる 取りあえずいい内容のようだ こっちも一安心 「そうなんだ」 などと独り言 幸せそうな顔しちゃって 野暮を承知で訊いてみる 「何だって?」 「あのね、おばさまがご飯を炊く量、間違えたんだって、私がいないのに…」 「へえ」 「『ケガの無いよう注意してがんばれ』だって」 「うん」 「明日の夜もメールくれるって」 「よかったじゃない」 「うん」 「で、なにか愛のメッセージは?」 「えーと、特には無いみたい」 「なんにも?」 「うん、 『そちらの調子はどうですか 家では母さんがご飯の量を間違えたといってぼやいてた ケガの無いよう注意してガンバレ! 明日の夜またメールする おやすみ』 だって」 「あんたたちはホントにもう…」 あのバカの顔を思い浮かべる 一時の比呂美を泣かせるような行動をしたときには正直腹が立った けど、くっついてからの比呂美は幸せそうだ 学校ではおおっぴらにはしてないけど 以前のような無理はしなくなった 時折みせた思いつめたような表情も影をひそめた おそらくいろんなことがうまくいっているのだろう 肝心な時に本音を話してもらえなかった事は寂しいが それなりの事情がありそうなので気にしないことにした 比呂美が彼のことを呼ぶときには クラスの皆の前では『仲上君』 だけど私の前では『眞一郎くん』 それだけ比呂美は私に気を許してくれてる それはそれで嬉しくもある って、それどころじゃない 「返事! 返事どーすんの!」 「あ?」 比呂美はポカンとしてる 相変わらずあのバカ相手だとどこか調子狂ってる 「ほら、早くしないと、彼、返事待ってるかもよ?」 少しいじめてみる 「どーしよう」 幸せそうに悩んじゃってまあ 「さっきのでいいんじゃない?」 「じゃあ 『メールありがとう 嬉しかったです こちらは問題ありません 早く帰りたいです おやすみなさい』 でどうかな?」 「『どうかな』って言われても… まあ、いいんじゃない あんた達らしくて」 「うん、じゃあ送ってみるね」 そう言いながら送信してる なんだかまるで中学生の男女交際だね らしいといえばらしいかな さて、もう少しお付き合いしてあげるか 「ところで、」 「なに?」 「仲上君とはどうなの?」 「どうって?」 「ドコまでいったの?」 「ドコって」 「分かってるくせに?」 「し、眞一郎くんはそんな男の子じゃないんだからっ!」 「ふうん、その辺りを詳しく、」 「知らないっ」 「もう、キスくらいした?」 「まだですっ!」 「じゃあ、しそうになったことは?」 「そ、それは…」 かかった! 今夜は楽しい夜になりそうだ 了 ●あとからあとがき 8話まで視聴済み 本シリーズの守護天使、朋与視点です。 奥手なふたりにはこんな存在が欠かせません。